この記事では、銀粘土を使った指輪の作り方を紹介します。シンプルな指輪製作で、初心者向けとなります。m(__)m
キラリと光る純銀の指輪。銀は淡くて、微妙に黄色みがかったような金属光沢が魅力的ですよね。この上の画像の純銀の指輪、実は手作りです(^^)。「銀(元素名:Ag)」と聞くと、何となく高そうなイメージがありませんか?実は銀自体はそこまで高くありません。値段を安く抑えつつ自分のクリエイティビティを満たしたい方には、自分で銀粘土で銀の指輪を作るという手があります!慣れれば実質2,000円ほどで、自分の納得する作品が作れるかもしれません。。
1. 準備
銀粘土での指輪製作、まずは準備編です。準備編は、物の準備と造形前の作業の2パートに分けて解説していきます。
・物の準備
必要な物のリストはこちらです。
上記リストの最低限あった方が良い物は、アートクレイシルバーのスターターセットという商品にすべて入っています。初めて銀粘土を使う方は、スターターセットを買うと便利です。解説書や解説用DVDなどもついています。この記事もスターターセットに入っているアイテムを使って説明していきます。
下記に詳述しますが、セットを買わずに最低限あった方が良い物を単体で買ったり、買わずに済ましたりすることも一応できます。
銀粘土単体では7gから50gまで展開されています。上にあげた写真のような細めの指輪は7gくらいあれば作れます。
楽天だと税込み2,365円です。少し高いですが送料は無料なようです。
最低限あった方が良い物を個別に揃えたり、なしで作ったりする場合のことを書いておきます。 道具を買う方、そろっている方は飛ばしてください。
個別で買う場合、店舗価格の参考です。画像が小さいので拡大してください。
●指の採寸用紙と木芯棒を買わずに済ます裏技 指の採寸用紙や木芯棒がないと、指輪の内径を決めることが難しくなりますが、方法がないわけではありません。方法をザっと説明します。 ①付箋紙などの細長い紙を指に巻き付けて指の外周を測り、それより2~5㎜長く紙を切る。(銀粘土は焼き縮むため、作る指輪の円周の長さは指の外周より2~5mm長くする。) ②木芯棒を使う場合は、切った紙をちょうど良い太さのところに巻きつける。木芯心棒を使わない場合は、紙の上などにコンパスで指輪の円周を書き、その線に沿って粘土をこねて指輪の形にする。(コンパスを開く長さは円の半径となるため、円周÷3.14÷2です。数学。。。(^^; )
・造形前の作業
物の準備ができたら造形前の作業に移ります。銀粘土はすぐに乾燥してしまうため、開封する前に全体の作業工程と指輪の完成図をイメージしておきましょう。大まかな作業工程です。
指の採寸 → 造形 → 乾燥 → 修正 → 焼成 → 削り出し → 完成!
造形前の作業として、指の採寸までを済ませ、スムーズに造形できるようにしておきます。採寸用紙(リングスケール)の穴に指を通して、指輪の内径(号数)を決めます。(※銀粘土は焼成後縮むため、2~5号大きい号数で作ります。8号の指輪を作りたいなら10~13号)
採寸用紙の穴に木芯棒を通し、止まったところを鉛筆で書き込みます。
このあたりは文章だけでは分かりにくいので、写真とコメントで解説していきます。💦
造形前の作業が済んだら、机上に粘土板、水の入った小皿、ティッシュ、ヘラなどを用意します。これで準備万端!♪
2. 製作(造形~乾燥)
準備が完了したら、いよいよ銀粘土をパッケージから取り出して、作っていきます。ここでは粘土をこねて形を作る造形パートと、その後に乾燥させる乾燥パートの二つに分けて解説していきます。
・造形
銀粘土をパッケージから出します。今回は小指用に作るので、7gあれば十分です。銀粘土はすぐ乾くので、時間をかけずサッとこねて、指輪の円周の長さに伸ばしていきます。後の工程でひび割れないように、穴やヨレをなくし、均一になるように整えていきます。湿らせ過ぎはダメですが、ちょくちょく指と粘土に少量の水をつけて加湿すると良いですね。
粘土を伸ばしたら木芯棒上の、付箋の上に巻きつけます。粘土の両端の接着面は丁寧にくっつけましょう。
余った部分はカッターやヘラのようなもので綺麗に取り除きましょう。あまりはラップに包んでおくと保存できます。また、水を多く染み込ませてどべのようにしておくと、この後修正する際に使えます。
・乾燥
形を整えたら乾燥させます。ドライヤーで15分以上乾かすか、24時間自然乾燥させます。乾燥が完了したかどうかは、指輪を鏡の上に置いて曇るかどうかでチェックします。
3. 製作(修正~焼成)
粘土の乾燥が済んだら、削って形を修正し、焼き固めていきます。焼く過程で銀が純度99%以上の純銀になるようです。ここでは削って修正する修正パートと、焼き固める焼成パートの二つに分けて解説します。
・修正
焼く前の最後の修正に入ります。最後といっても、ここでかなり修正できます。接合面の裏など、割れそうな箇所はどべを塗って補強しておくこともできます。
どべを塗って補強した場合、湿っている部分は完全に乾燥させましょう。乾燥が甘いと焼成中にひび割れます。
・焼成
修正が完了したら焼成に入ります。焼成後にサイズが小さくなっているか確認するため、指輪を紙の上に置いて外周を書いておきます。
ガスコンロの場合、網の上に置いて15~20分ほど焼きます。説明書には5~10分と書いてありますが、15くらい焼かないと完全に焼成できないことが多いと思います。このあたりは指輪の大きさや家庭のガスコンロの火力などによりますが、15分ほど焼成しておけば問題ないでしょう。
焼成後は、指輪を網の上に置いたまま20分放置して冷まします。その後ボウルに水を張り、そこに指輪を入れて完全に冷却します。
4. 製作(研磨)
・研磨
焼成、冷却が済んだらタオルなどで水気をふき取ります。焼成前より焼き締まってサイズが小さくなっているか、焼成前に書いた紙の上に置いて確認しましょう。
確認後、銀肌を磨き出していきます。まずはステンレスブラシ。白かった表面が淡い銀色になっていきます。
ステンレスブラシをかけて銀肌が出たら、やすりをかけましょう。まず粗目の300番ほどからかけて、最終的に2000番まで磨き上げます。今回は、スポンジ研磨剤のSUPER FINE(320~600番相当)、ULTRA FINR(800~1000番相当)、MICRO FINE(1200~1500)、そして紙やすりの2000番とやすりました。(^^;)
細かいやすりの番数は決まっていないです。最終的に2000番まで上げて磨ければOKです。
やすりがけが終わったら、磨きヘラで細かい傷を滑らかにして直しながら、なぞるように磨いていきます。磨きヘラの先端は鋭いので、傷つけないように先端より下の部分で磨きましょう。この工程はなくても良いですが、行うことで表面に一気に鏡面のような光沢が出ます。
最後にシルバークロスにシルバーポリッシュという磨き液をつけて磨きます。磨きヘラとシルバークロスで磨く工程は、普段のお手入れとしても行います。
最後に
いかがだったでしょうか。最初は少し苦戦するかもしれませんが、一度道具をそろえて慣れてしまえば、7gで買う場合、実質銀粘土代の1657円+ガス代くらいで作れてしまうかもしれません。
また、白い表面から銀肌が出た時、磨きヘラで鏡面を出していく時のワクワクは、ただ指輪を買うだけでは得られません!まずシンプルな形からチャレンジし、だんだん複雑な形や装飾を用いた、こった作品を作りましょう!👍(焼くと純金になる金粘土なるものもあります。当然高価ですが、今後チャレンジしてみたいですね。)
注意点です。銀は、引っかいた時に傷がつくかどうかを表すモース硬度が2.5と柔らかいです。(人の爪も2.5。10円玉硬貨は3.5。)そのため、日常何かにぶつけたり、擦ったりすると簡単に表面に傷がついてしまいます。なるべく気をつけ、たまに磨きヘラとシルバークロスでお手入れしてあげましょう。
ありがとうございました。^^
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