学習支援をするNPOの危機

 ファスティング2日目だ。その内容については、この後体重を測った上でまた書きたい。この記事では少し硬い内容になるが、学習支援をしているNPO法人の危機があり、大事なことだと思うのでそれについて書いていきたい。

 さて、先日所属するNPO法人で中々残念なことを聞いた。埼玉県さいたま市にて、NPO法人さいたまユースサポートネットさんは、中高生の学習支援業務を行っていた。しかし今年の春にさいたま市が学習支援の業務の委託を一般入札で決めることにしてしまったため、家庭教師の○ライさんに任されることになり、さいたまユースサポートネットさんは業務打ち切りとなってしまったのだ。大手だし、問題ないだろうと思うかもしれない。しかし実際は問題大アリなのだ。 https://saitamayouthnet.org/gakushushien-volunteer

 リンク先のさいたまユースサポートネットさんのホームページを見て頂きたい。今年の8月2日の毎日新聞の朝刊にも、論点子どもの貧困対策と題して、取り上げられている。概要を話すと、まず学習支援に来る子供の家庭では、貧困だったり学校での問題だったり、さまざまな問題を抱えている子も多い。NPO法人で学習支援を行う際は、そうした子の学習以外のケアも行えるよう他のNPOや地域のネットワークと連携をとる。これはNPO法人という、非営利の業務という性格上の強みだ。これが一般企業に取って換えられてしまうとそうした連携はできなくなる。時間をかけて子供との間に築いてきた信頼関係、共有して来た情報は失われてしまう。そのため泣き出す子供もいたくらいのようだ。そして一般企業の○ライ社になってからは、コストの削減のため教室に社員を配置せず、統括する人間も大学生のバイトらしい。バイトの人間は契約でやめると重い罰金があり、本社は我関せずで本社に相談することもできないという。この業務は色々相談することや問題が起こりやすい。その結果、辞めることも相談することもできないアルバイトの人は、市に悩みを相談することになっているようだ。このように、業務を一般企業に投げるのは中々問題があるといわざるを得ない。特に貧困や格差やその他の問題で悩む子供に、学習支援したり居場所をつくったりしていく業務は、利潤を追求する一般企業には中々難しいのではないだろうか。確かにNPO法人は税金や募金で活動を行っている。一般企業の方がコストを削減しやすいため、安い値段で委託できるだろう。しかしコストの削減の仕方に問題がある場合もあるのだ。市や区や地域社会は、ほんとうの公益のためにも一般入札をもう一度考えるべきではないだろうか。

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