サイハテ村に来ています。DAY10 二つの世界/行動経済学

「市場規範」と「社会規範」とサイハテ村

サイハテ村に来て10日目になりました。はじめてその日、当日に記事を書けませんでしたが、5/7(日)のことを書いています。毎日動画と記事を投稿しようと思っていましたが、動画は早々に諦め、ブログもとうとう毎日更新は途切れてしまいました。まあ、こだわらずに良い感じにやっていこうと思います。

さて、サイハテ村に来て10日目といっても、本日はサイハテ村コミュニティマネージャーのゆうきさんに誘われ、暮らしの学校スタッフのけんじさんと熊本市街に一日外出していました。

熊本市街では映画を観て、その後温泉施設で温泉とサウナを楽しみ、その後施設内にてPCでサイハテ村も関わっている「タダの箱庭」というプロジェクトの仕事をしていました。その中で、昨日のことと関連して自分で考えたことがあるので共有したいと思います。

昨日の記事で、資本主義的なこれまでの世界と、そうでない自給自足的なヒッピー的な物々交換的な世界の二つがあり、二極化というものを感じる場面もあるということを書きました。今日、行きの車の中で昨日の僕と元某大手製薬メーカーの方との会話のことを、ゆうきさん達に話しました。ゆうきさんは全く異なる世界を垣間見れたということで、「良い経験したね。」といったようなことを言ってくれました。本当に、この世界も、別に全く完全に分かれているわけでもなく、全く交わらないわけでもないと思いました。現に、その本製薬メーカーの方は仕事を辞められ、元々いられた世界とは対極にありそうな、このサイハテ村に来ているわけですから。

車内でゆうきさんが、以前住んでおられた宝島であった話をしてくれて、それが面白かったです。人口100人くらいの小島でプライベートもないような島だったらしいのですが、農家のおじいちゃん、おばあちゃんが広大な農地を二人でゆっくり耕して、二人分には見合わない量の作物を作られていたようです。年齢もあって大変そうな様子を見かねたゆうきさんが、「もっと小規模で効率よく無理なくやられたらどうか?」というようなことを聞いたようです。そうすると「そういうことではない。」という回答が返って来たとか。そしてその後「そういうことではない。」という言葉の意味が分かるような体験があったと言います。ゆうきさんご家族がそのおじいちゃんたちから、タッパーに入ったおかずをもらった時のことです。翌朝ゆうきさんがタッパーを綺麗に洗って返したところ、そのおじいちゃんが突然キレて、「馬鹿野郎!もらったタッパーを空で返す奴があるか!?」と言われたそうです。その島では、タッパーに入れたおかずをもらったら、自分も何か詰めて返すという文化・ルールというか、マナーというか、暗黙の了解?があったのですね。

行動経済学の言葉で、「社会規範」と「市場規範」というものがあるそうです。ゆうきさんが関わられているプロジェクトでもこの二つの価値観・世界が何度も出て来て重要になってきます。社会規範とは、どちらかというと自給自足的、ヒッピー的。もっと正確には見返りや対価を求めずギブアンドテイクの、思いやりや自分が楽しいからやるということで成り立つ世界観のことです。そんな世界あるのか?と思いますが、実際に縄文時代はそういう感じはあったのかなとも思います。一方で市場規範とは、マーケットの世界。ギブアンドテイクなどなく、この信用創造で誰かの借金でお金が生まれている仕組みもあり、どれだけ自分がテイクして生き残れるか、損得、勝ち負けが根本にある世界観のことです。もちろん二つの世界がはっきり分かれているわけでもなく、もっというと一人一人の心の中にしかありません。まあ、この世にある全てのものがそうと言えるかもしれませんがね。

そのおじいちゃんの「もらったタッパーを空で返す奴があるか!?」という言葉を聞いて、ゆうきさんは「めちゃくちゃ市場規範なんだな(笑)。」と思われたらしいです。あげたからにはお返しを期待する、損得の基準があり、市場規範と言えそうです。しかし、そのおじいちゃんたちが自分たちが食べるのに見合わない広大な畑を耕す理由も、島の人たちはもちろん、他の近い離島でも何かあった時に分けられるようにと考えられてのことだったようです。島の中ではそのようにお互いに助け合う、お返しをするのが暗黙の了解になっているようでした。お互いを思ってもしもの時にも助け合えるようにする、ここを見ると市場規範というより社会規範もかなり強いような気がしますね。おじいちゃんは、元々その島に住んでいなかったゆうきさんたちに、その島の風習を教えてくれていたのかもしれません。

以前も書きましたが、ルールやマナー、風習というのも人の「心」が最初にあったできたものですね。「災害の時困りたくないよね。」という声、そして「じゃあ、普段から助け合おう。」という声があって、お返しをし合うというマナーができていったのかもしれません。それが制度化すると、西洋的な感じもあるし、急に市場規範のような気もしますが、根は社会規範なのかもしれませんよね。「心」が大事なので、その土地その土地に伝わる風習といういわば伝統とは、その時のその時の人の「心」によって変わっていくのが自然で大事だということになりますね。本当の伝統とは、守りつつも変わっていくものですよね。変化もないと、恐らく長く続くものになっていないはずですから。

二つの世界の今後

そんな会話を車内でしながら観た映画は、しっかり社内での会話の伏線を回収することになりました。本日観た映画はこちら。

 『帰れない山』という映画です。ざっくり言うと、少年時代から交流のあった男二人がおじさんになるまでのことを描いており、そこには「山」という世界と「都会」というほどでもないが、都会的な世界の二つが出てきます。山は伝統や自然、ある種の憧れとも結びついており、都会には現実的な金銭面、仕事、制度といった意味合いもくっついています。この二つの世界、価値観が複雑に絡み合い、人々の心もここに巻き込まれてドラマが起きていくのですが、考えさせられる内容でした。日本の映画のように「勧善懲悪」だったり「ハッピーエンド」だったりと分かりやすいラストではありませんでした。白黒言えないような内容だと思いますが、見る人、タイミングによって色々な感想が言えるのではないでしょうか。

その後は余談的ですが、『勝烈亭』という昭和50年から続く創業50年近くなるとんかつ屋に行き、湯らっくすという温泉総合施設とでもいうようなところに行きました。

自分で胡麻をすってその上にソースを入れるのが斬新でした。美味しかったです。

湯らっくすではサウナ内でタオルを振り回して熱風を送るパフォーマンスの、アウフグースなるものを初めて体験し、初めてサウナの中に20分もいました。水風呂もその後初めてガッツリ入り、身体の感覚に新しいものがインストールされた感じがあります。

そして帰った後もラボで様々な話になり、結局こうして夜中の2時過ぎまで起きております。サイハテ村に来て初めてこれほど夜更かししました。来て3日目のこの記事で紹介した、一歳上の方が返って来られたこともあり、ずっと人生論や占星術や、この村の過去の話や、色々なことを話し合っていました。その中で明日というか今日5/8の朝、「タダの箱庭」プロジェクトの中で元大手製薬メーカー、ファイ〇ー社の方へのインタビューに同行できるという話も決まり、少しワクワクしているところです。はてさて、一体この二つの世界、僕らの世代の世の中はどうなっていくのでしょうね。^^

それではまたお目にかかりましょう!♪^ ^

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